JR中央線・青梅線12両化工事(2) (2024/10/14)

2024年10月13日(日)、ついに中央線快速にグリーン車を連結した12両編成の営業運転が開始された。
東京〜大月・青梅では、全ての駅でホームが12両分に延伸され、狭隘な地形と過密ダイヤの中、難工事だった
御茶ノ水駅で、1週間前の最後の工事がついに完了した。
本来なら、全ての駅の工事を追いたいところだが、中央線は距離が長く駅数も多いので、グリーン車の乗車記録のみ
レポートすることにする。
首都圏の普通列車のグリーン車連結の歴史は古く、東海道線と横須賀線・総武線快速で平屋の車両2両で運行されていた。
その後、2001年の湘南新宿ラインの運行開始とともに、こちらもグリーン車が連結され、
2006年でも常磐線快速で運行が開始された。
今回の導入はそれから18年ぶりとなり、しかも、10両だった編成を2両増結して12両とする大幅な運用拡大だ。
緩行線と並走する快速線系統(列車線)を中心に導入される傾向にある。

初日の10月13日時点で、駅員に確認したところ、グリーン車連結編成は、わずか3編成のみらしく、
1時間に1本ほどらしい。
13日では巡り合えなかったので、翌日の14日に再び東京駅で待ったところ、45分ほど経ってからようやく
ホームに入ってきた。
常磐線の時と同じで、しばらくは無料で乗ることができる。
常磐線では、無料を告示するステッカーが貼られていた気がするが、今回は特に貼られていなかった。
無料期間は来年春のダイヤ改正だけとのことらしいので、一度乗ろうと多数の乗客が乗りに来ており、大混雑だった。

レイアウトは、それほど従来の普通車グリーン車と変わるものではなく、モケットも上下の階層で色の違いはなく、
横須賀線・総武線快速の235系に近いものとなっている。

平屋階はデッキのドアが2枚扉で広さを取っているため、3列から2列に減っている。

設備面もそれほど従来車と違いがあるようには見えないが、トイレはまだ使用できなかったし、無料期間なので、
天井のSuicaタッチシステムも稼働していなかった。
何とか東京駅で待っていた電車に乗ると、新宿駅で降りる人が多かったので、ここで2階席に座ることができた。
よく平屋階が広くて良いという意見が多いようだが、自分は、眺めも良くて丸く膨らんだ天井が、いかにも昔ながらの
客車列車のイメージを継承しているようで、こちらの方が好きだ。
この電車は、国分寺まで乗ってから西武線で帰宅した。

さて、今回最大のスペック変更であるグリーン車の2枚扉について考察してみる。
言うまでもなく、乗り降りをスムーズにするために出入口を広くするものだが、来年春までの無料期間では、
平日の運行などでも満員状態が予想されるが、これにはJRとしても大きな実験的な意味合いがあると思う。
「満員状態の2扉ダブルデッカーで乗り降りがスムーズにできるか」という命題の実験だ。
かつて、東海道線の快速アクティーや湘南新宿ラインなどで運用されていた、オール二階建て車両215系は、
扉が2つのみで乗り降りに時間がかかってしまい、それがダイヤ遅れの原因となったため、
運用は縮小されて一部の臨時列車のみの運行となり、最後は廃車となってしまった。
今回、無料期間に満員状態でもダイヤの遅れが出るか否かで、オール二階建て車両の
復活の可能性を探っているのかもしれない。
試運転のみで見られた、グリーン車4両を連結した、いわゆるグランド編成は限定的でも残してほしいと思う。
今後、首都圏でグリーン車運用が追加される路線はあるだろうか。
10両編成以上で緩行線系統を除けば、埼京線か京葉線だが、埼京線はりんかい線や相鉄線との直通運転があるので
考えにくいので、万一あるとすれば京葉線だろうか。京葉線は路線が成田新幹線計画がベースになっているので
量数も増やしやすいかもしれない。
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