第3回 四国旅行 2017年10月5日〜7日 (2017/10/12)


1.特急 サンライズ瀬戸
  
 自分の記憶では、以前に四国に旅行したのは2009年、サンライズエクスプレスは2007年の広島旅行以来なので、 かなり久しぶりだ。
 3連休前日の金曜日に休暇を取り、木曜の夜に仕事から帰宅してから東京駅に向かった。
 数本細々と走っていた寝台特急も新型の豪華列車以外は全て廃止され、事実上の最後の寝台特急となった感じがする。
 真新しい車両に思えるが、デビューは1998年だったと思うので、もう20年は走っている車両だ。

 サンライズエクスプレスは、サンライズ瀬戸・サンライズ出雲がそれぞれ7両で岡山まで連結して14両編成として走り、 その後は分岐する。
 車両の種類は全く同じだ。
 車両は下級な席から順に、特急券のみで乗車できるノビノビ座席、B寝台に分類されるソロ、シングル、シングルツイン、サンライズツイン、 A寝台のシングルデラックスがある。

 
 ノビノビ座席は、雑魚寝のような席だ。【写真左】
 ソロは、車両中央の廊下の左右に上段・下段にベッドが配置されている。【写真右】
 最低限のスペースの居住性で頭を伸ばすことはできない。
 次に自分の部屋のシングル。
 
 こちらは完全2階建て構成で1階と2階の中央に通路、左右に部屋がある。
 ソロよりも居住性は高い。
 今回は下段だった、願わくば眺めの良い上段だったらよかった。
 
 シングルツインは、2人用のB寝台。
 2段ベッド式だ。
 サンライズツイン、シングルデラックスは同じ2階建てで、片側に通路がある車両だ。【写真左】
 ドアが閉まっていて部屋の内部を撮影はできなかったが、下段はサンライズツイン、進行方向に並行して ベッドが2つがあり、上段はシングルデラックスで広い部屋を一人で使え、机などもある。
 サービスとして、シャワールームを使えるカードもある。
 そして、これは誰でも利用できるが、小さいながらもラウンジがある。
 あまり大人数は座れないので、家族4人座るといっぱいになる。
 東京を出ると、ここで座って酒を飲んだ。【写真右】

 
 その後、自室に戻ってからは本を読み、そのうちにうとうとしてきたが、読んでいるうちに覚めてしまい、 その後は終点の高松までほとんど眠れなくなった。
 瀬戸大橋を渡る頃には完全に夜も明けた。
 寝台列車は灯りを消せば外の景色が良く見えるので、景色を見ていたいけれど、全く眠れないのは 損な気がする。

 寝台特急も時代が変わり、九州の『ななつ星』や東北の『四季島』や関西の『瑞風』が注目されるが、 このサインライズエクスプレスの認知度はどれくらいなのだろう。
 四国や出雲地方は並走する新幹線もなく、9時間程度で行けるので、ダイヤ編成によっては飛行機よりも 早朝に着くことができる。
 睡眠と移動を同時に行える利点は、現代社会においても十分魅力的ではないかと思う。


2.特急 しまんと

 高松に到着したら、ここからは特急『しまんと』で四国を縦断し、高知に向かうので、 今のうちにホームで朝食を取る。
 ここでは四国らしく、立ち食いうどん店があったので、それを食べる。
 なんと、ここのメニューはうどんしかない。
 そばやご飯ものは一切置いておらず、うどんのみで勝負する店だった。
 よっぽど自信があるのだろうか。

  
 ホームで待っている間にも普通電車や特急が来るが、気動車がほとんどだ。
 JR四国は1980年代に電化されはしたが、南側は非電化だからだろう。
 『しまんと』もディーゼル車両の2両編成だった。【写真左】
 前側1両の前半分のみ指定席であとは自由席だ。【写真中】
 ところで、この『しまんと』、高知県西部の四万十市はなぜか通っていない。
 2両なので、車内販売は当然ないので、うどんだけでは足りなかったので、小さめの サンドイッチとお茶を買っておいた。
 多度津を過ぎると、急に山岳地帯に入る。
 途中には渓流に沿って走ったり、山岳鉄道の様相を呈しているが、四国縦断の際の主要幹線なのだろう。【写真右】
 寝台では眠れなかったので、2時間ほどの所用時間の大部分は眠ってしまった。
 
 終点の高知駅に着いた後も、ホームの休憩所でも眠ってしまい、目が覚めた時には1時間ほどが経っていた。
 高知駅は6両ほどの短いホームの2面線だ。
 ただ、接続路線は土讃線のみで、電化はされていない。


3.とさでん交通 桟橋線・後免線
 ここからは、旅の目的の路面電車に乗る。
 とさでん交通は、バス以外に路面電車を運営している。
  
 高知駅の南口から出ているが、高架化と同時に電停も移設されたようだ。
 駅のすぐ近くから路面電車が出ている点では、富山駅に似た景色だ。【写真左】
 来た電車はずいぶんと古い車両で、昭和製のものだった。
 各地からも古い電車を買い受けて使用しているようだ。【写真中・右】
 桟橋線と後免線・なはり線がはりまや橋電停で十文字型に交差している。
 基本は桟橋線が南北、後免線・なはり線が東西に走っており、後免線・なはり線は基本桟橋線には 直通しないようだ。
 乗り換えはできるが、運行形態は単純で理解しやすい。
 終点の桟橋通五丁目は、頭端式の1線なので、以前からずっとここが終着駅だったようだ。
 ひとつ前の車庫では、路面電車のイベントも行われることがあるようだ。

 
 ここからははりまや橋まで戻り、昼食を取る。
 このよさこい節でも歌われるはりまや橋は、本当に小さな赤い橋だ。
 よく見ないと分からないかもしれない。
 近くの店で鰹のたたき定食を食べる。

 路面電車乗り方は、後ろ乗り前降りで、運賃は後払いで基本料金は桟橋線と市街中心部は200円。
 後免町方面と伊野方面の市街地より外は、加算運賃となる。
 このはりまや橋での東西・南北の路面電車に乗り換えるには、運転士から降りる際に運賃の支払いの際に 乗り換えることを伝え、乗り換え票を受け取る。
 乗り換え票は一日以内なら有効なので、桟橋線を下りて食事してから乗り換えることもできる。
 中心部から郊外に行く時には、乗り換え先で降りるときに差額を払う。
 郊外から市街地に乗り換える場合には降りるときに運賃は支払い済みなので乗り換え票のみを渡す。

  
 食後は、再び路面電車で後免町方面に行く。
 「ごめん」という駅名は難読駅名として有名だ。
 桟橋線と垂直に東方面に走るが、しばらくは併用軌道だが、橋を渡ってからは専用軌道が 多くなっていく。【写真左・中】
 終点の後免町では、すぐ前に土佐くろしお鉄道に接続している。【写真右】


4.土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線・JR土讃線
  
 後免から伸びている土佐くろしお鉄道は、旧国鉄の第三セクターだ。
 単式の高架ホームの非電化路線だ。
 1両編成の気動車が来た。
 JR区間である後免から先の高知駅まで直通している。

 
 高知からは伊野まで乗る予定だけど、ここから西方面では大雨で特急が一部までで運休だという。
 30分ほど待っていたが、雨も降ってきた。
 途中の高架では路面電車の線路も見えていた。
 伊野に到着する頃には本降りになってきた。


5.とさでん交通 伊野線
  
 ここからは、またとさでんを西方面に乗り、高知市街まで戻る。
 後免町までの直通が通っている。
 しばらくは道路の脇の専用軌道で、単線がメインである。【写真左・中】
 電停以外にも列車交換が可能な箇所があり、ここでタブレット交換が行われる。【写真右】
 高知市外に入ると複線になりはりまや橋で桟橋線と交差し、遠くは後免町まで走る。

 運行系統は単純だが、電停の数は多く、営業距離は長い。
 古い車両ばかりが走っているけれど、ここにも低床式車両があるらしいが、全く遭遇しなかった。
 もしかしたら車庫で留置されているのかもしれない。
 また、運賃の支払いはICカードにも対応しているものの、高知内でのみ流通している「ですか」というもので、 他のSUICAかPASMOとの互換性はない。
 なので、早めに対応すること課題だろう。

 夕方になったので、高知駅の近くのホテルに向かうが、高知県にはいつも旅行先で使用しているホテルがない。
 なので、初めて泊まる系列のホテルだったがサービスは大体同じだった。
 ただ、チェックインの際にペットボトル入りの水がもらえたことと、朝食がカレーバイキングだったことだ。
 もちろんPCレンタルもある場所を選んだ。
 夕食は線路向こうの店で夕食を取り、アルコールを購入して戻り、夜1時頃に眠くなってぐっすり眠ってしまった。


6.高知城
 朝起きてから、朝食を取り満腹状態となったので、部屋で休みながらネットして情報収集した。
 チェックアウト時間が遅めだったので10時半頃に出発。
 初めてだったが、それほど悪くなかった。
 本日は夕方までに空港に行かねばならないので、あまり時間はない。

 そこで、高知城に行くことにする。
 路面電車で高知城前が最寄駅だ。
 行くには伊野線なので、はりまや橋で乗り換える。

  
 高知は坂本竜馬一色だが、この高知城だけは山内家に関する内容が多い。【写真左】
 特に、土佐藩初代藩主の山内一豊と大政奉還の山内容堂が多い。【写真中】
 他には、自由民権運動の板垣退助の像もある。【写真右】

  
 本丸御殿と天守閣は入館料420円で入ることもできる。
 10年以上前のNHK大河ドラマ『功名が辻』で使用されたという衣装も展示されていた。
 本丸と天守閣は撮影もOKだったので撮りながら進む。

 
 天守閣は結構な高さだ。
 先の景色を見るのも良いけれど、下を見るのも迫力がある。
 最上階には天守閣のある全国の城も写真も展示してある。
 江戸城も本丸を再建して観光名所にしてほしいところだけど、皇居があるので防犯上の問題があるのだろうか。

 10月だというのに気温は高く、日差しも暑い。
 もう午後になっていたので、遅めの昼食をとるために高知駅に戻った。
 高知駅では、ラーメンとカレーのご当地グルメイベントをやっていたので、そこの出店でラーメンと栗ごはんと豚しゃぶなどを購入。
 その隣では、2010年のNHK大河『龍馬伝』で龍馬の自宅として使用されたセットが展示してあった。靴を脱げば中にも入れた。


7.高知龍馬空港
  
 食後は駅周辺を色々と歩いたりした。
 桂浜などにも行きたかったが、鉄道が通っていないので割愛した。
 夕方には空港に行かねばならず、空港にはアクセス鉄道がないので、バスかタクシーしかないようだが、高知駅前からは15分おきにバスが 出ている。【写真左】
 空港までは約30分ほどの時間で到着する。
 しばらくは後免線との併用軌道だが、その後は高速道路を通る。この道路は片側1車線だが、将来を見据えて2車線分のスペースが確保されている。【写真中】

 空港に着いてからは土産物を買ったり、夕食の弁当やアルコール類を買い、ゲートをくぐる。  ゲートをくぐった後は売店しかないのでしばらく待ち、飛行機に入る【写真右】。

 ここでトラブルが発生した。
 機内に入って着席しようとした後、アナウンスが入り、機材の不具合でこの飛行機は飛べないので出てほしいとのこと。
 交換用の部品を次に来る飛行機で運搬し、それを取り付けて再度運行するらしい。
 他には飛行機はないので、航空会社持ちでホテルももう1泊した人もいたようだが、自分はしかたなく空港の待合室で弁当を広げ、 酒を飲みながら待つ。
 つまみは鯨肉と鰹の心臓と珍味だったのでおいしかった。
 再度入場するときに、航空会社から食事代として2000円が乗客全員に支給されたので、実質2000円の値引きという事になる。
 空港に2時間近くも留め置かれたのは今年5月の九州旅行に続き2回目だった。
 飛行機とはこんなに信頼できない乗り物だったろうかとも思うが。次回からはなるべく鉄道を利用したい。
 前回とは違って食事代が出たのは、遅れの原因が天候ではなく機材の故障だったからだろう。

 2泊したのは久しぶりの旅行だったが、内容は少し薄めでゆっくりとした日程だったと思う。
 JR四国は非電化区間が多い。
 高松〜高知まで電化すれば、サンライズ瀬戸も走れるので、電化できないものか。
 高知駅はホームが6両分ほどなので、7両編成のサンライズ瀬戸は少しホームを伸ばせば入るだろう。
 空港の近いとは言えないので、東京から鉄道で来れればいいと思う。


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