第18回関西旅行 2015年7月19日〜20日 (2015/07/25)
1.出発
前回来たのは今年の冬だったので、それほど経っていないことになるけど、色々と行きたいところがあるので、
再び関西に行くことにした。
通常、連休中は新幹線は自由席で行くのだが、今回は少し出発が遅くなったので、席の空きを探す時間が
もったいなかったので、指定席で行った。
2.梅小路公園
これから行く梅小路蒸気機関車館は、来月に閉館するので、その前に訪れておきたかった。
前回行ったのは10年以上前だったので、どうやって行ったかは覚えていない。
今回は京都駅からは歩いて15分ほどらしいので、歩いて行くことにしたが、暑い日差しの中を歩いて行くのは
けっこう辛かった。
線路沿いに大阪方面に歩き、嵯峨野線と京都線とが分岐する箇所付近に蒸気機関車館があるが、
徒歩で行くと梅小路公園を抜ける必要がある。
この公園は、多数の市電の車両が静態保存されており、その大半が内部に入ることもできる。
一部は休憩所や案内所や中には喫茶店として使用されている車両もある。
車体はみんな一貫してクリーム色と深緑で塗られている。
そして、実際に乗ることのできる「チンチン電車」もあった。
これは、ごく短い区間だが、150円で公園構内を乗ることができる動態保存されている車両で、他の市電に比べて小さいサイズだ。
途中に、周囲を壁で覆われている場所にある旧型の国鉄車両があるが、職員に聞いたところ、新しい博物館で展示する
車両だという。
3.梅小路蒸気機関車館
公園を抜けて梅小路蒸気機関車館に到着した頃には、もう昼過ぎていた。公園の売店で何か食べても良かったのだが、
ここには駅弁が売っているかもしれないので、何も食べずに来た。
入り口に来ると、古めかしい純和風の建物が見える。これは、旧二条駅舎を移築したものだという。
ここは、現在、京都鉄道博物館としてリニューアルするため、工事及び展示車両の搬入を行っており、現施設は8月で閉館となる。
閉館前に見ておくのが今回の旅行の目的の一つだ。
入り口を抜けると、旧梅小路機関区を使用した蒸気機関車の展示区画がある。転車台があるので放射状に線路が延びている。
蒸気機関車館という性格上、蒸気機関車がメインの展示対象だが、数少ない客車もある。
50系客車は、内部が休憩所になっており、旧国鉄時代に近い状態で残っていた。
そして、スチーム号というSLに乗車もできる。
牽引しているSLは、ツバメのマークが付いているので、かつての特急「つばめ」で活躍していたのかもしれない。【写真左】
客車内部には傘があるのみで壁はないのでレトロ感というより、アトラクション色を多く出している。【写真中】
出発すると、バックして客車を押す形で京都方面に向かって走り、嵯峨野線の高架下をくぐり、公園の横をしばらく
走ったところで、再び出発点に戻る。線路は本線とは接続されていない。【写真右】
Uターンする箇所では、電気機関車も停まっていた。
スチーム号に乗り終わってからは構内で売っている駅弁を購入した。
竹籠弁当というものだったが、けっこうおいしかった。
売り子のおばさんがおつりの持ち合わせがなかったので、なんと値引きしてくれた。
新たに開業する博物館は、もっと規模の大きなものになるようだが、転車台の施設は残されるようなので安心している。
また、嵯峨野線では梅小路付近に新駅を作る計画もあるらしいので、さらに交通の便も良くなることだろう。
4.近鉄京都線・橿原線・南大阪線
ここからは、久々に南大阪線経由で大阪方面に向かうのだが、数年ぶりに特急に乗った。
京都発橿原神宮前行きの6両編成の特急だった。昔からある古いタイプの車両だった。
橿原神宮前経由で大阪阿部野橋まで直通している特急や電車はないようだ。
後で調べて分かったのだが、これは線路の軌間の違いによるものらしい。
近鉄京都線、橿原線、奈良線、大阪線、難波線等が標準軌、南大阪線とその支線は標準軌なのだそうだ。
近鉄の特急といえば、ビスタカーが有名でバリエーションも多いが、今回乗った特急には特別な設備はなく、
ただ特急座席を提供するのみの車両だった。
というのも、車内販売はもちろん、自販機もないので、のどが渇いても飲み物は終点の橿原神宮前まで買えなかった。
近鉄に乗ると、よく2両編成の特急を見かけるが、このような短編成の特急を多く走らせる傾向があるようだ。
今回乗った特急も、4両+2両の普通座席のみの特急2編成の連結だった。編成を組み替えたり柔軟な運用をするためだろう。
しかし、特急料金を払う以上、最低でも4両はないと特急らしいサービスは提供できないのではないだろうか。
橿原神宮前からは、南大阪線で大阪中心部に向かうが、ホームは少し離れた場所にある。
橿原線は南大阪線・吉野線とは吉野方面で線路はつながっているものの、吉野線に直通運転は軌間の理由からしていない。
吉野線は南大阪線とだけ直通運転しているようだ。
ここからは普通電車で大阪阿部野橋まで行った。
終点近くなると、あべのハルカスが見えてくる。
5.交通科学博物館跡地
大阪阿部野橋のJRでの駅名は天王寺なので、ここから大阪環状線でホテルに向かうが、その前に弁天町で降りて、
去年閉館した交通科学博物館の跡地を見てみた。
まだ建物は取り壊されてはいないようで、車両もだいぶ撤去されてはいたが、一部は残されていた。
歴史的価値がある車両にも思うが、このまま建物と一緒に解体されそうな雰囲気である。
展示物の一部は、京都の鉄道博物館に編入される予定らしい。
その後は、大阪で御堂筋線に乗り換え、中津で降りてホテルに向かった。
地上では、阪急電車や梅田貨物線が走っている箇所だった。
夕食後は駅の梅田の近くでやっていた日本酒の試飲会で酒を飲んだり、ホテルに戻って旅行記を作成したりした。
6.阪堺電気阪堺線
朝起きてからは、ホテルの無料朝食サービスで朝食を食べて、10時前にチェックアウトした。
中津からは御堂筋線で動物園前まで行き、堺筋線の恵美須町で下りて、そこからは路面電車の阪堺電気阪堺線に乗った。
ここの区間を乗るのも久しぶりで、確か10以上前に通天閣に上った時以来だったかもしれない。
どんなところか忘れてしまったが、思ったよりも立派な駅舎だった。【写真左】
頭端式2面2線と、路面電車にしては規模が大きい。【写真右】
阪堺線は、線路は浜寺公園まで伸びているものの、2013年以降は堺市へは直通せず、あびこ橋までしか行っていない。
専用軌道と路面の区間も様々にある。南海高野線の高架下をくぐると、廃止された電停らしき場所を通る。
そのまま路上を走ると、上町線と合流するが、浜寺駅前方面へ行く線路と平面交差する形で、住吉公園へと続く線路がある。
この電停は、南海線と接続しているが、あべのハルカスが完成してからダイヤ改正され、現在は朝7時〜8時台しか行く電車はないらしい。
南海との乗り換えには、すぐ近くの住吉鳥居前で下りるようだ。
今回は乗れなかったが、阪堺電気でも超低床車両が走っている。「堺トラム」という3両編成の車両なので、いつか乗ってみたい。【写真左】
南海に乗る前に、春日大社に立ち寄ってみた。電停名の通り、すぐ脇に春日大社の入り口の大鳥居が見える。
入り口に入ると、ものすごく急な傾斜の橋がある。こんな急な橋は初めて見た。色々境内を見回りたい気もするが、境内は大社というくらいなので
広い。
他に行きたいところもあるので橋の頂上で引き返した。【写真右】
道路を渡るとすぐに南海本線の住吉大社駅がある。こうしてみると、隣接する阪堺の住吉公園電停は、それほど重要でもない気がする。
鶴見線の大川駅でさえ夕方は走っていたので、それ以上に秘境駅となっている。
南海の高架の脇にレトロな阪堺の駅舎があり、ここまま使用されないのは惜しい。【写真左・中】
改札口には、住吉鳥居からの乗車を促す看板が置いてある。
南海の駅構内の階段から、電停のホームが見える。このまま廃駅になる可能性もあるが、電停として廃止となっても車両の留置線などに
活用されていくのかもしれない。【写真右】
7.南海電鉄
南海の駅では普通列車しか停車しないが、ホームは2面4線ある複々線区間となっている。
優等列車は通過するので、通過線には柵が設置してある。住吉大社と線路を隔てて逆側には住吉公園がある。
もし、この駅に優等列車が一種別でも停車するようになれば、電停も再び日中も使用されるようになるかもしれない。
岸里玉出までは普通で行き、そこからは分岐している汐見橋方面に乗ることにした。汐見橋も10年近く行っていなかった。
現在、和歌山方面を結ぶ本線と、高野山方面を結ぶ高野線の事実上の起点は、共に難波となっているが、元来、高野線は汐見橋を
起点とする路線だった。
難波を起点とする本線と、当時の岸ノ里という駅で平面交差していたようだ。その後、付近の玉出駅と合併し、現在に至るらしい。
高架化されてからは線路の構造上、汐見橋方面からは高野線に直接入ることができず、事実上の支線汐見橋線となっている。
この汐見橋線のホームは2両編成分しかなく、本線のすぐ脇にある。【写真左】 現在の高野線のホームは、本線とは少々離れたところにある。
この駅付近こそ単線だが、駅を出ると複線で、途中駅のホームは短いが、かつての高野線時代を思わせる。
終点の汐見橋は、すぐ横に高速道路の橋桁があり、都会の中のローカル線といった感じだ。【写真中】
改札の真上には、昭和30年代の路線図が掲示されていた。もうボロボロに破けているが、このままにしておくのだろうか。【写真右】
長らく盲腸線のような状態だったが、2009年に阪神なんば線が開業してからは乗換駅となった。
8.阪神電鉄
南海汐見橋線の駅のすぐ脇に、阪神なんば線の駅がある、阪神の駅名は桜川だ。
この駅は、難波発の近鉄特急がひっきりなしに来ては難波方面に折り返している。
西九条手前で地上に出て、運河を渡る鉄橋を越える。
西九条は、なんば線延伸開業まで長らく尼崎方面からの阪神電鉄の終着点で、当時は西大阪線といっていた。
しかし、大阪中心部への延伸の計画は古くからあったようで、JRの上部を越えられるようにホームはかなり高い位置に建設されていた。
ホームは短かったが、駅はなんば線開業と同時に8両分に延長された。
大物で梅田からの本線と合流し、尼崎に到着。この駅もひっきりなしに工事しているので、たびたびホームや停車位置が変わっている。
ここの構内の蕎麦屋で昼食をとった。
ここから神戸方面に向かうが、この阪神本線でも高架化工事を実施している。
武庫川〜甲子園にある鳴尾駅の下り線が3月に高架化されたのだ。
完成後は、相対式ホームとなるのだろう。【写真左・中】
甲子園でも大幅にリニューアル工事が実施され、JR大阪系駅のように大きな屋根が取り付けられていた。【写真右】
芦屋付近でも、高架化工事が進んでおり、高架化はまだ先のようだが、下り線が仮線に切り替えられていたので、それなりに進んでいるのだろう。
そしてトンネルに入り、神戸高速線を抜け、山陽電鉄に続く。
9.山陽電鉄
神戸高速から続く地下トンネルで、西代まで来ると、ここからが山陽電鉄となる。
この駅はかつては地上駅だったが、阪神大震災で駅舎が破壊された際に、工事していた地下駅にそのまま切り替えた。
地上に出てしばらく走ると、JRと並走する。明石海峡大橋の近くまで来ると、海が良く見える。【写真左】
山陽明石で直通特急を下りて、ここからは各駅停車に乗り換えた。
山陽電鉄でも、明石〜林崎松江海岸の間の西新町駅が先月に高架化された。
こちらは上下別々ではなく双方向とも一気に高架化である。【写真中】
コンコースからは、地上時代のホームが見えた。もうレールは撤去されてはいたが、ホームはまだ残っていた。先月切り替えたばかりというのに
レール撤去がずいぶん早い。【写真右】
新しい高架ホームは、どうやら5〜6両分しかないようなのは、優等列車が停車しないからだろうけど、今は近鉄まで線路が繋がっているので、
将来は8両の電車も来るかもしれないので、このタイミングで8両分の長さにしてもよかったようにも思う。
その後は、再び優等列車に乗り、山陽姫路まで乗った。
10.JR東海道本線
ここからはJRで大阪方面に戻る。以前来た時にはまだ工事していたと思ったが、今はずいぶん様変わりしている。
新快速が来たのでこれに乗った。姫路始発だったらしく、先頭車の一番前の席に座れた。
大阪圏のJR快速系はオールクロスシートでトイレも完備されているので長距離乗っても大丈夫だ。
ここから山陽電鉄と並走しながら神戸を越えて大阪までずっと乗った。
関西圏の中距離列車は、たいてい転換式クロスシートなので、乗り心地も良いので、グリーン車の連結の必要がないのだろう。
関東圏では、通勤ラッシュがひどいので、東海道線や横須賀線ではこのような転換式クロスシートは馴染まないのかもしれない。
11.阪急京都線
大阪に着く頃には夕方になったので、そろそろ帰りの新幹線の切符を買わねばならない。
このまま新大阪からか、あるいは京都まで行って新幹線に乗ってもいいが、ここで阪急京都線にも久々乗ってみることにした。
大阪で下りて、そこから阪急梅田の駅に向かうと、特急が停まっていたので、これに乗った。【写真左】
これも転換式クロスシートの車両だった。阪急の特急は阪神や山陽と同様に追加料金なしで乗れる。
京都線の高架化工事は、淡路駅の二層高架化工事がたけなわだ。京急蒲田や京成の青砥のような構造になるようだ。
現在は、橋桁のみ完成している箇所が散見される。【写真中】
もっともこちらは阪急千里線との交差なので、4方向に分岐するのだから、もっと複雑だ。
京都線は主にJRと並走して走り、一区間では新幹線のすぐ隣も走る。時間があれば、2013年に開業した西山天王山駅にも降りてみたかったが、
帰りの予定も考慮して割愛することにした。
そして、もう一つの高架化工事が行われている洛西口も通った。【写真右】
この駅は、2003年に地上に開業した駅だが、当初から高架化予定だったので、簡素な構造になっていたという。
京都中心部まで来ると地下に入るが、烏丸で京都市営南北線に乗り換えて京都から新幹線に乗った。
今回は、また京都から姫路まで広範囲に移動した。他にも、JR学研都市線の鴫野のホーム切り替えなども見たかったので、
それはまた次の機会に取っておく。
おおさか東線の新大阪延伸開業は2018年というのでこちらも楽しみだ。
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