第21回関西旅行 (2022/09/29)


 ここ数年は関西地域の鉄道旅行はご無沙汰だった。
 コロナのせいもあるが、大阪には仕事の出張で来るようになったからだ。
 現在は職場も代わって出張の機会もなくなったし、今の仕事が忙しいのでリフレッシュ休暇を取った。
 以前の関西の旅行は2019年で、写真撮影したスマホは1世代古いものだった。

1.特急『ひのとり』(近鉄名古屋線・大阪線 近鉄名古屋→大阪難波)
 ずいぶん前になるが、大阪からの旅行の帰りに、近鉄特急で名古屋経由で帰宅したことがあったが、 今回はその逆コースで行くことにした。

  
 近鉄名古屋駅は、言うまでもなく近鉄の名古屋方面での拠点らしく、大きな地下駅だ。
 すぐ隣には名鉄の地下駅とも隣接しており、以前はトンネルで線路が繋がっていたこともあったらしい。
 近鉄名古屋線は、以前は名鉄と同じ狭軌だったのだが、伊勢湾台風の復旧と同時に標準軌に改軌し、 伊勢中川駅から大阪方面に直通できるようになったという。

  
  
 近鉄特急と言えばビスタカーが有名だが、特急車両も昔に比べれば世代交代している。
 今回乗ったのは、特急『ひのとり』だ。

 8両編成の1号車と8号車はプレミアムシートとなっており、車内には自販機もあるが、そのうちの1つは ロゴの入った紙コップ付きの豪華なもので、こちらは1杯200円でコーヒーが飲める。
 今回座った一般席も、踏み台が付いており、快適だった。
 新幹線で名古屋まで来た時にはちょうど昼時だったので、駅弁を購入して車内で味わった。

 名古屋を発車するとすぐにトンネルを抜けて、概ねJR関西本線に沿って走る。
 名古屋の次に津に停車すると、次の停車駅は鶴橋、大阪上本町、終点の大阪難波という停車駅の少なさだ。

 
 途中、伊勢中川付近で山田線・大阪線との私鉄では珍しいデルタ線を通り大阪線に転線し、山岳部を走ることになる。
 名古屋から2時間強で大阪難波駅に到着。
 ちなみに、近鉄大阪線の起点は、大阪難波駅ではなく大阪上本町駅で、地上に6線の頭端式ホームがあるが、 後に難波まで延伸した時に地下にも相対式ホームを設けたらしい。


2.阪神なんば線・本線 大阪難波→神戸三宮
 ここからは、乗ってきた特急の後に来た電車で、そのまま阪神方面に乗った。
 近鉄と阪神は、2009年に尼崎〜西九条までの支線だった阪神西大阪線が近鉄難波駅まで延伸することで 直通運転を開始した。
 この時に駅名を大阪難波駅に改称した。

  
 ここから西は、有料特急は存在せず、阪神よりも西の各社は、18m車3扉、近鉄は20m4扉車を充当しており、 微妙にスペックが異なっている。
 概ね阪神は6両編成が多いようだが、これには神戸以西に直通する山陽電車が6両編成までしか入れないからだろう。
 一方で、難波より東側では近鉄区間のため、尼崎からの8両や10両編成もあるらしい。
 西九条駅の手前で地上区間に出るが、途中では高架化工事も実施され、仮設の線路へ移す準備もできていた。

 
 ここでも、数年前に鳴尾・武庫川女子大前駅の下り線が高架化された。
 2019年までの駅名は鳴尾駅だった。
 深江・青木の2駅も2020年に高架化が完成していた。
 岩屋駅を過ぎると地下区間となるが、途中の春日野道駅は、大変に狭い島式ホームのある「危険な駅」として紹介される こともあったが、今はホームは残るが廃止され、反対側に相対式ホームが設置されている。

  
 神戸三宮駅は3線の地下駅だが、配線は長い年月を経て変遷を重ね、現在は真ん中1線が頭端式となった。
 近鉄車両はここまで運用される。
 あまり関東では見られないロープ式のホームドアが採用されていたが、前述したように様々なスペックの車両に対応する ためだろうか。


3.阪急神戸線・宝塚線 神戸三宮→十三→蛍池
  
 
 三宮からは大阪方面には阪急で戻ることにした。
 ちなみに、阪神・阪急はそれぞれ駅名は阪神三宮、阪急三宮だったが、阪神が2014年に、阪急は2013年に同一の 神戸三宮に駅名を改称している。

 阪神は6両編成が多いのに対し、阪急は8両、多いときは10両編成もあるという。
 また、神戸高速との直通は新開地までしかしていないので、大阪メトロ堺筋線以外の直通運転はないので、 同じようなあずき色との車両で統一されている。
 阪神とは違って山側を走るので、沿線風景もまるで違う。

 宝塚線・京都線と合流する十三駅からは宝塚線に乗り換え、モノレールの接続駅である蛍池まで乗った。


4.大阪モノレール 蛍池→大阪空港→南茨木
  
 次はモノレールで大阪空港に立ち寄ってから、阪急京都線の乗換駅である南茨木まで乗った。
 途中の万博記念公園駅付近では、下に見える高速道路の中央あたりには、かつて大阪万博の開催時には 北大阪急行線が千里中央付近から伸びていたらしいが、今はトンネルは埋められて、線路は道路となっているので 痕跡は見当たらなかった。
 ここからは、彩都線というモノレールでは珍しい支線が分岐している。
 大阪モノレールの終点である門真市からは、瓜生堂まで延伸工事が始まっているらしい。


5.阪急京都線・千里線・大阪メトロ堺筋線 南茨木→淡路→南森町
  
 この頃になると夕方なので、南森町のホテルへと向かうために、阪急千里線から堺筋線に乗っていく。
 途中の淡路駅付近では、完成は2030年代と言われる難工事を実施しており、2層高架の巨大な、いわゆる「要塞駅」が 建設中である。
 京都線と千里線の平面交差を解消するためだろう。
 このような形態の駅は、最近では京急蒲田駅、名鉄の太田川駅などがある。
 高架工事対象は、堺筋線との境界駅の天神橋筋六丁目付近まで続いている。

 堺筋線の南森町駅からは歩いて数分でホテルなので、チェックインした後は食事に出かけ、  深夜2時頃には眠れた。


6.大阪メトロ堺筋線・中央線・近鉄けいはんな線 南森町→堺筋本町→生駒
  
  
 10時頃にチェックアウトしてから、堺筋線で昨日とは逆方向に乗り、堺筋本町で中央線に乗り換えて東側に向かった。
 大阪メトロ中央線は長田から近鉄けいはんな線に直通しているが、ほぼ一体化して運行している。
 近鉄けいはんな線は、地下鉄と直通しているために私鉄でありながら唯一第三軌条方式となっている。
 長田を過ぎるトンネルを抜けて地上に出て、長大な生駒山のトンネルを抜けると、近鉄奈良線と接続する生駒に到着する。


7.生駒ケーブル
  
 生駒山には近鉄所属のケーブルカーがあるのでそれで頂上まで向かった。
 電車線の生駒駅から少し歩くと、ケーブルカーの鳥居前駅に到着する。
 2線もあるケーブルカーにしては大きな駅だが、複線ではなく単線並列で、稼働している1線の右には、古い車両が 停まっている。

  
 次の宝山寺駅で終点だが、ここからさらに上の生駒山上駅まで別のケーブルカーで登る。
 こちらは途中にトンネルもあり、中間駅も2駅もある。

 
 頂上には生駒遊園地があるが歴史は古いらしい。
 入場は無料で、アトラクションに乗るたびに料金が発生するという今どきは珍しいシステムだ。
 30分ほどでケーブルカーの発車時刻なので、付近を散策した後、麓に戻って昼食を取った。
 関西地域の名物・にしんそばのおいしい店だった。


8.近鉄奈良線・大阪線・信貴線 生駒→布施→河内山本→信貴山口
  
 昼食後は、同じく近鉄の運営するケーブルカーである西信貴ケーブルに乗るために信貴山口に向かう。
 東花園駅付近も2015年頃に高架化が完成していた。

  
 大阪線との分岐駅である布施駅は、上下2層高架の、いわゆる要塞駅で、上段が奈良線、下段が大阪線となっている。

  
 布施駅で大阪線に乗り換えて次の乗換駅である河内山本駅では、信貴線の停車するホームが2つある。
 大阪本線も停車する1番線と、そのすぐ隣の2両しかない短い5番線ホームだ。
 間違えて5番線で待っていたら、待つホームが間違っていることを教えてくれた。
 信貴線は2両編成しかなく、終点の信貴山口駅まで2駅だが、途中に列車交換の設備はない完全な単線だ。


9.西信貴ケーブル
 
 
 近鉄が運営するだけあり、信貴線のホームから改札もなしにケーブルカーの駅が繋がっている。
 おそらく最寄りの鉄道駅から日本一近いケーブルカーだろう。
 ここも山あり谷ありトンネルありで景色を楽しめたが、驚いたのは生駒ケーブル以上の急勾配だったことだ。
 ケーブルカーの駅舎も古いものだったが、そこはしっかりと簡易ICカードリーダーも完備されている。
 頂上の駅名は高安山駅といい、ここから名刹のある信貴山まではバスが出ている。
 下山するケーブルカーをしばらく時間をつぶして待っていた。


10.近鉄信貴線・大阪線 信貴山口→河内山本→河内国分
 
 河内山本駅に戻った頃には雨が降り始めていた。
 さらに河内国分駅に到着したころには土砂降りとなっていたので、雨の中歩くのは大変だった。


11.JR関西本線 高井田→柏原
 
 近鉄の河内国分駅から、JR関西本線の高井田駅までは、10分ほど歩くが、雨風の強い中を濡れながら歩いた。
 王寺方面から来た旧国鉄以来の103系の電車が来たので、これで1駅先の道明寺駅で、再び近鉄に乗り換える。


12.近鉄道明寺線・南大阪線 柏原→道明寺→大阪阿部野橋
 同じ近鉄でも、南大阪線及びその支線の道明寺線などは軌間が異なっており、狭軌を採用している。
 橿原神宮前駅で名古屋本線系列と接続するが、相互直通運転はしていない。

  
 JR関西本線のJR難波方面のホームと近鉄道明寺線は、乗換駅ではあるが、どのような歴史的経緯があるのか 同一のホームで乗り換えが可能だった。
 といっても改札は行っており、簡易ICカードリーダーが申し訳程度にある。
 初めて来たのでタッチするのを忘れてしまいそうだった。
 毎日何人のタッチ忘れがあり、改札を出る時に清算するのだろうか。

 道明寺駅からは、大阪阿部野橋まで準急で向かうが、他の近鉄本線と比べると両数が短い。
 4両編成が多く、特急車両に至っては2両という短いものもある。
 だが、ターミナル駅である大阪阿部野橋は、大阪上本町などと同規模も大きな駅だ。


13.大阪メトロ御堂筋線 天王寺→新大阪
 
 日も落ちてきたので、そろそろ帰宅せねばならないので、御堂筋線で新大阪まで向かった。
 御堂筋線と直通運転している北大阪急行は、2023年度末に箕面萱野までの延伸が発表されているが、 気の早いことで、もうテープで隠されているだけの新しい路線図に差し替えられていた。


 大阪に行った時の帰りの新幹線では、柿の葉寿司を食べると決めていた。
 これを食べるのも来た目的の一つだ。

 今回は数年ぶりに大阪の鉄道に乗れたので、高架化工事が完成している地域など路線風景も変貌しているところも 多くて新鮮だった。
 北大阪急行、中央線、大阪モノレールなど延伸工事や、なにわ筋線の新線建設も楽しみだし、 今回あえて行かなかったが、いわゆる「うめきた新駅」の開業は2023年3月に迫っている。
 同時期には関東では相鉄と東急の直通が始まるので、新幹線は東急新横浜線経由で利用するかもしれない。



>>関連旅行記
 第24回関西旅行 その2
 第24回関西旅行 その1
 第23回関西旅行
 第22回関西旅行
 第21回関西旅行
 第20回関西旅行
 第19回関西旅行
 第18回関西旅行
 第17回関西旅行
 第1〜16回関西旅行【削除済】


<< Back
Copyright (C) Tekka Tsunamaki 2005 All rights reserved.